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2016年9月 9日 (金)

重国籍の日本人①

今日、戸籍実務の専門家の皆さんとの懇談があった。
その折りに、「重国籍」についての話になった。
日本は台湾を国として認めていないので、台湾籍を持っている人が帰化もしくは国籍取得をした場合、中華人民共和国の法律を準用する。中華人民共和国では他の国の国籍を取得した時点で、中華人民共和国の国籍を自動的に失う規定になっているから、そもそも「重国籍の日本人」にはなり得ない・・はず、という見解もあるが?

「いや、中国の方で日本に帰化しても二重国籍は多いですよ。中国の場合、国籍を失うと資産が没収になったりするので、そのまま残しておく人が多いです」
なるほど、「自動的に失う」と言っても、当該国がそれを把握できない場合、そのまま双方の国籍を持つことでそれぞれの利点を享受しつづけることが可能だと言うのだ。
皆が法律を遵守していたら、こういう問題は確かに「ない」が、そうでないから「ある」のだ。
「『黒転白』って知ってます?」(by専門家さん)
「くろてんしろ?」(byワタクシ)
「エスニックメディアにはいろんな情報が載っているんです」(by専門家さん)
・・むむ、それは別の機会にぜひじっくり教えてもらいたいぞ。

話を元に戻すと、戸籍実務をしている方は皆さんご存知かと思うが、日本の戸籍を見ただけではその人が「重国籍」かどうかはわからない。
「国籍」だけではない。例えば「国際結婚」でアメリカ法に則り婚姻届を出しても、その後離婚をしても、日本の行政機関や大使館他への届出も出さなければ、戸籍には反映されない。ということは、日本の戸籍には婚姻したことも離婚したことも記載されないのだ。こうしたケースは以前、ある芸能人の離婚時に話題になったので覚えている方も多いかもしれない。
「国籍」も、その他の「身分事項」も関係国の間で通知等は行なわれないから、本人たちが手続きをして申告しない限り、正確な所はわからないのだ。
「重国籍」の問題が「法的には存在しない」にもかかわらず、少なからずの数が存在する、ということはというのはこういう背景がある。

さて、今回の蓮舫さんの問題。
ワタクシはこれは国会議員、そして政党の代表という職務を務める政治家の法令遵守が問われた問題だと思っている。
蓮舫さんが気になさっている点もそこである。
だからこそ、台湾法でもコンプライアンスができていたかどうかを確認するというアクションを起こし、それが時間がかかるということなので、念のため再度書類を提出した、ということだ。
「重国籍」の是非や、「差別」を今回の話とつなげて語る人も多いが、問題を混同してはならないと思う。
それは今回の件とは別に、しっかりと国民的議論に拡げていかなければならないと思っている。それほど重いものだ。

日本の戸籍だと本籍地のあるところに行き、亡くなったお父さんの「除籍謄本」他を取れば、子どもの除籍の年月日もすぐにわかることだろうが、台湾の場合は事情が違うのだろう。
先週、無戸籍関連で「除籍謄本」をとったばかりなので、このシステムの違いのテクニカルなところに、ものすごく興味がある。

ちなみに。
ワタクシは「重国籍」にも「外国人地方参政権」にも賛成の立場を取る。

本当に残念だったのは、2009年〜2012年の民主党政権の時代に、このことを主張してもごく少数者を除いてほぼ反応薄であった、ということだ。

ただ、その中でも、石川ともひろ元衆議院議員をはじめとする幾人かは請願の紹介議員となり長年に渡り地道に活動をしていた。
例えば、2012年9月の第180国会における
第57号国籍選択制度の廃止に関する請願
第58号成人の重国籍容認に関する請願 等々。

国会議員中、誰がそうした活動を推進していたかは検索すればある程度把握ができる。

この機にそうしたことも見ていただければと思う。

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