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2016年10月31日 (月)

「政治塾」というビジネスモデル

昨日、小池百合子都知事が主催する政治塾「希望の塾」が開校した。4827人が応募、2902名が入塾したという。
受講料は一般男性5万円、女性応援特別価格4万円、25歳以下の学生応援特別価格3万円。これには6回分すべての受講料が含まれており、開塾式を含め過去の講義はアーカイブで閲覧することが可能だという。また追加募集で入塾した場合でも授業料の減免はなく、その分は2回補修講義で補うという。
入塾者の年齢他の内訳は公表されていないが、約4割が女性だったと公表しているところからみて、約2割を25歳以下と想定して計算をすると1億4162万円がこの塾の収入で、運営費等を抜いてもゆうに1億円の資金は確保できた計算となる。

昨今の「政治塾」のビジネスモデルは、2012年に開講された維新政治塾であろう。
この時の応募者数は3,326人、うち受講料を収め、入塾したのは2,025人。受講料は12万円と高額だったこと、開催地が大阪だったことを思えば、その熱気の強さは「希望の塾」以上のものだっただろうことは想像できる。収入は2億4300万円。その後の維新の活動展開に多いに寄与したことであろう。

さて、ワタクシ的興味を引くのは、今回の「希望の塾」の中に自民党・民進党等政党所属の現職議員・政治活動者もいる、というところである。
周りにも結構な数の人々が参加していてちょっと驚いた。
「現職なのに、今更「塾」?」「お金払ってまで??」「小池さんの資金源になるってことでしょ?」というのは「参加をしようと思いもしなかった」という人の弁で、逆に参加をした人は「(来年の都議選他で)相手候補を立てられたくないから」とはっきり言う人もいる。
まあ、参加したぐらいで「相手候補を立てない」担保にはならないと思うけど(笑)例えば、自分の所属している党や無所属のままでは都議選当選に必要な票の積上げが期待できなかったり、上がつかえていて立候補そのものができない状況の人にとっては、その「不安」や「不満」が「希望」と変わりうるかもしれないという期待を持たせる装置となっているのだ。それがほのかなものだとしても。

選挙の時のプロフィールに「希望の塾」塾生とか書くだけで、票の上澄みができそう・・こういう心理を芽生えさせることができたら、その政治塾の広報宣伝としては大成功だと言えよう。

(民主党でも「政治スクール」を開催していたが、一向に人が集まらなかったのは、ぶっちゃけ「票が増えそう」という感じがしなかったからであろう)

もうひとつ、上手い所は「合格通知」というところだ。
「セレクト」がある、ということは人の心理に大いなる影響を及ぼす。選ばれるか否か、通知が来るまでのドキドキ感。
そして、ファイナリ—、選ばれた時には「やった!!」という高揚感まで与えてくれる。やっぱり、わかってくれたんだ。さすが小池さん!!だと。

選ばれて、小池さんが嫌いになる人はひとりもいないはずだ。

今回応募したひとりが、「必死で入塾動機や都政に対する思いを書いて出願、合格通知が来た時は正直ものすごく嬉しかった!4000人から100人ぐらいが選ばれたと思っていたから。それがほぼ全入と知ってがっかりしたけど、まあ、お金も振り込んだし、何をやるのか見てこようと思います」

なるほど。佐藤優先生の「人たらし術」でも書かれていることだが、人はお金をつぎ込めばそれに対してその組織や事柄を否定できなくなる。それが男女間でも一緒である。

ただその関係にはある時から変化が起こる。
「維新塾」の先例に習えば、「次なるセレクト」が行なわれたとき、つまり、塾生を絞ったり、具体的に候補者選定をし始めた時から、急速に求心力は落ちるのだ。
当然ながら「セレクト外」が圧倒的になるから、そうなると今度は今まで愛着を持っていた分、アンチになることも往々にしてある。

「政治塾」が継続的に、その塾生をほぼ減らさず、真の目的である政治の質の向上に資する人材の育成や、底上げにつながるか否か。

ワタクシは「塾」と賞する段階で、どこか二番煎じ感が否めず、本来の改革派とは使う言葉も含めて、時代に対して新しい何かをクリエイト、提供できるものをいうのではないかと思っているので、
小池さんが既に「塾」を使った段階で多くの期待はしていないのだが、「七人の侍」ではないが、使い古された、ちょっとこっ恥ずかしいような物言いの方が、受け入れられるのかなあ。

いずれにせよこうした「政治塾」のビジネスモデルの今後の展開を興味深く、遠目から見ている。

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