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2017年11月24日 (金)

議会への子連れ出産は是か否か②

ワタクシは地方議員と国会議員を経験している。

常日頃から、職住接近(ケースが多い)の地方議員は、政策面も含めて、子育て中の女性にとって最も適した職業の一つだと実感を込めて語ってきた。

議会があるのは年間100日程度。政治活動に関してはほぼ毎日、時間を選ばず、という側面はあるものの、時間と内容を「自己選択できる」という意味では、会社務めより有利である。


もちろん、ライバル議員があちこち顔を出していたら気にもなるが、焦る。が、大抵の選挙区は小選挙区ではなく中選挙区。つまり、自分のお客さんに向かって、事情を説明し、少ない機会でも真面目に活動していれば理解は得られる(次回も当選できる)可能性は多いにある、むしろ広がるからである。



「議員」と「議員の妻」を経験してみて、思うのは、実は保育園をより必要としているのは「議員の妻」だったなと実感する。
事務所を手伝っている「議員の妻」の場合、自分で時間をコントロールする裁量権の幅も狭い。
賃金は発生しないが、扱いはほぼ「フルタイムワーカー」の「被雇用者」だ。
「議員」の育児環境は全く違う。

ワタクシの場合、第一子は2歳まで、事務所で育てた。
当時は3歳児神話や母乳育児がまだ幅を利かせ、おむつも布おむつ利用era(笑)
狭い空間で、ちょろちょろする子どもを見ながら、電話を取り、来客を受ける。
たまに外には行くが、公園に長居することもできない。
子どもは常におんぶかベビーカー。
母親と密着するも、これで彼はしあわせなのだろうか。
ある日突然、ベビーカーの上で彼は熱性けいれんを起こした。
みるみる紫になって、呼吸が止まった子どもを、どうしたらよいのかわからず、おろおろしながら小児科に走った。
自分の呼吸も止まりそうだった。生きた心地がしなかった。

ワタクシはそこで学んだ。
子どもには、「育つための環境」が必要だ。
少なくとも、政治家の事務所では育てる側も、育つ側もストレスがかかる。
「大人の空間」と「子どもの空間」は交わる部分もあるが、大部分は違う。
子どもにはのびのびと、声を出して大丈夫、好奇心のままあちこち歩いて大丈夫な空間が必要なのだ。
そうして、保育園を探し始めた。

議会に保育園が併設されていたら、議員はとても便利だと思う。
そしてそれが市役所の職員や市民も利用できるものだったらとても良いと思う。
誤解を怖れず言えば、ある意味、義務を遂行するための最低限の時間が決まっている議員は、ファミリーサポートセンターやベビーシッター等で対応が効く。
「切羽詰まっている感」からいったら、優先順位は被雇用者として働いている人が議員より先であると思う。

政治家が政治家たる由縁は、自らの体験を社会化し、制度を変え、必要とあれば予算を付け、問題解決へと導くことだと思っている。

報道ベースなので真偽はわからないが、
子連れ登院の目的が、議会に託児施設を設置して、とか、ベビーシッター代の補助を、という要望に当局が応えなかったからということだったならば、違和感は拭えない。

子育てが終わると、介護が待っている。
今後、家にひとりでおくことができない認知症等の高齢者が施設に入れず、もしくはデイケアも満員。仕方なく議会に連れてくる、ということも、当然だが想定しなければならない時代がやってくるかもしれない。

介護離職と言われる人々はそうした環境の中で生まれる。

企業でもそうしたことを鑑みて、重要な会議も物理的、距離的困難を克服できるように「テレワーク」が広がって来ている。
ワタクシが今回のような状況だったら、控え室で子どもといながら参加ができるようにするように、また議会だけでなく市役所内でもそうしたトライアルをするとか、もろもろ提言しただろうなと思う。

こうしたことがある度、いつも思い出すのは、マザーテレサと「COCO」の話である。
カルカッタの「死を待つ家」に行った時に、段ボールに入った大量のココアを持った日本人と遭遇した。
「マザーを尊敬しているの。マザーはココアが大好きで、「COCO」と呼んで飲むのを楽しみしているのよ。マザーは「ここにいる全ての人が飲んでからでなければ、飲まない」とおっしゃるから、これぐらいを持ってこないとマザーのお口には届かないの」

マザーテレサ、政治家やのう。
もちろん、マザーにはなれないが、マザーの手法には学ぶことができると思う。

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