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2019年5月15日 (水)

領土とは、国境とか何か 

「サハリン残留日本人と戦後日本」樺太住民の境界地域史(中山大将著・国際書院)を読む。

領土とは、国境とか何か。

戦争の随伴現象としての境界変動ー国境線が消える、もしくは移動するーは、そこに住む住民の生活を<引き揚げ><残留>等で分断する。それが一つの戦争の結果のみならず、重複、重層化したがゆえに、個人はもとより国家も地域もさらに複雑な事情を抱え込むことになる。

中山大将氏とはサハリン調査の際、数日をご一緒させていただいた。
この春に中山氏の研究成果(本書)が出ると知っていたが、ちょうど同じような内容で私も書いていて、得たデータをどのような表にして区分するか等悩んだのだが中山氏の論文はまだ出ていなかったので参照するわけにもいかず・・と、本書で確認すると、やっぱりそういうわけ方だよねーーと、シンクロしていてちょっとホッとした。
しかも・・私の書いた小文へのご批判もいただき(笑)大変光栄である。確かに冷戦期の残留や帰国については視点が抜け落ちている。

何れにせよ、論文を通して対話できることのありがたさを思う。
そして、当時の国会質問等も含めて詳細なデータの集積は、何よりありがたい。
残さなければ「なかったこと」となるし、「あった」としても届かぬところに存在するなら、それも「なかったこと」になる。

「確かに存在した」国境とその境界変動にスポットを当てるからこそ浮き彫りとなる人の営み。
「なかったことはできない」という中山氏の強い意志を感じる。

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