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2020年1月

2020年1月24日 (金)

1億5千万円の行方


河井夫妻問題は1億5000万円の交付金で「ウグイス日当」とは別のフェーズに入った。
交付金自体は違法ではない。しかし、この交付がある種の「脱法行為」なのではないかという疑念は拭えない。

参議院対策として河井氏にそれだけ交付するなら、岸田氏や阿部氏等他の広島選出の衆議院議員にも同額が振り込まれていなければ不均等だ。
ちなみに広島県の前回の参議院広島選挙区の法定限度額は47269500円(名簿搭載者2356941人)。つまり5千万弱。その3倍の金額を総支部に振り込む意図はもちろん事前活動並びに選挙中に何らかの金銭的対策が必要だったということだろう。

選挙のプロなら「ふふん」とわかるはず。
地方選挙でもよくある話だが、大きな団体への・・等々??


参考までに、自分の過去の衆議院選挙の時の党本部からの交付金を通帳をくくって見てみると・・驚いた。
すっかり忘れていたが、政権交代前の民主党はかなり戦略的に資金投入をしていることが見て取れるのだ。ちょっと感心してしまった。
これは誰が差配していたのだろうか?

2017年の総選挙の資金面に関しては「候補者たちの闘争」(岩波書店)で触れているが、
政権交代を含む日本政治の攻防を資金の点からしっかり分析した研究があってもいいのではないか。
今回の「1億5千万円の行方」はまたとない素材であろう。

何れにせよ、選挙の根幹でもあるにも関わらず、有権者には見えない形(実際には政治資金収支報告書や選挙資金収支報告書が提出、公開されているのだが)で、こうした選挙に関わるお金がやりとりされていることが、少しでも表に出てきたことは悪いことではないと思う。

主権者たる国民がするべき情報なのだから。






2020年1月23日 (木)

忘れた頃に杉田水脈・・選択的夫婦別姓議論と戸籍制度

毎度、忘れた頃に「ヤジ」等問題発言で登場する杉田水脈氏。
今回も衆議院本会議での国民民主党玉木雄一郎氏の代表質問の際の夫婦別姓のくだりで登場。

「日本には世界に誇る戸籍制度があります。
青年海外協力隊でアフリカに行っていた友人が戸籍制度があるのとないのとでは、「命の重さが違う」と、言っていました。「出生届」「死亡届」そして「婚姻届」もとても大きな意味を持つのです。
他国の真似をする必要はありません。
(と、答えたら、(夫婦別姓に)『戸籍制度の話を持ち出すのは議論の飛躍です。』と怒られました。)」
                 (杉田氏ブログより)

いやいや、論理の飛躍ではなく、これは戸籍制度(編製)ど真ん中の問題。
ちなみに「戸籍」と「命の重み」は全く関係ないけどねw

戦後、「家」制度解体後に採用された「夫婦と未婚の子」という戸籍編製により「婚姻家族」の規範化が強化され、
「婚姻家族」外の生き方を選択した、もしくは選択せざるを得なかった女性の社会的脆弱性に関する問題。
戦前はなかった公的社会保障は「婚姻家族」単位だから、
離婚、未婚、事実婚等そこに入らない、入れない女性や子どもは社会的制裁を受けて当然というのが「世界に誇る戸籍制度」なんですよ。

ただ、杉田氏だけでなく多くの政治家は戸籍との関連をわかっていない。戸籍法め手続法としてバカにしてきたから。

昨今は遠藤氏の『戸籍と無戸籍』(人文書院)や
下夷美幸氏の『日本の家族と戸籍――なぜ『夫婦と未婚の子』単位なのか――』(東京大学出版会)など、
優れた論考が相次いで出版されている。
まず、それ読んでから、議論しましょうよ。

ってか、ぜひ朝生他で、「戸籍」を取り上げて欲しい。
杉田氏、橋下氏、遠藤氏、下夷氏・・・ワタクシを呼んでくれないかしら。
「選択的夫婦別姓」だけでなく「無戸籍」とか「国籍」も含めて、正面から議論する時が来ていると思う。

https://blogos.com/article/148433/

しかし・・改めて杉田氏のブログを読むと、
女性研究者の氏が変わることで論文等が検索しにくくなる等の訴えに対して、「消えるならそこまでの内容」的な反論をしている。
インデックスが変わると検索できなくなるという話をしているんであって、内容がいいとか悪いとかの話じゃないのにね。

リテラシーの問題か。



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